講演要旨
生体、特にヒトに関する研究があらゆる分野で盛んになっている。熱流体工学の分野でも、
エネルギーの優れた生成と消費のメカニズム、体温保持機構、血管の分岐構造と血液の流れ、
肺でのガス交換など、学術的にも大変興味深い。血液の流れは生体組織の熱物質輸送に
重要な役割を果たす。本研究の目的は血液流れと熱と酸素輸送の関係について考察することです。
本講演では現在取り組んでいる二つの研究テーマを紹介する:
1. 人体上肢の熱物質輸送モデルの開発
2. レーザー照射における腫瘍組織の血流と酸素分布に関する研究
具体的に、まず、血液循環系の力学挙動と生体組織輸送現象のモデリングを解説する。
次に、医療MRIの連続断面画像から実形状を抽出し、計算モデルを構築する方法を紹介する。
最後に、数値計算例と実験結果を通して、血流の熱と酸素輸送に与える影響を説明する。
また今後の研究課題と応用についても触れてみる。