講演要旨
「近年コンピュータの発展と数値解析手法の進歩とにより、乱流音数値解析の工学的応用が盛んになりつつある。特に機械工学分野においては、
ターボ機械、エンジンなどの内部対流から発生する騒音の予測に対するニーズが大きいが、流体構造の連成解析を行う必要があるので、従来の試み
はなかった。本研究は、「戦略的基盤ソフトウェア」で解析された流体、構造コードを用い、火力発電所用多段遠心ポンプの騒音解析を実現した。
具体的には、先ず内部流体をLES手法で計算しながら、流体表面加振力を出力する。データインタフェースで流体力を構造メッシュに転送し、荷重
曲線を作る。最後に動的弾性解析で構造計算を行う。計算結果は実測値は定量的に一致し、ポンプ内部対流騒音の発生機構は明らかになった。 今
回の講演では、連成解析と低マッハ数流体音工学との両方の立場から研究趣旨を紹介し、関連する研究成果も及ぶ予定である。」