講演概要:
現在、高強度集束超音波臨床治療については主に人体結石破砕と腫瘍治療へ利用されている。これらの療法に用いる超音波を集束させ、人体内で焦点領域を形成する。人体内で形成した焦点領域の音圧分布や温度分布を臨床的に把握する必要がある。本講演では、体外衝撃波結石療法(ESWL)や高強度集束超音波腫瘍治療(HIFU)に伴う音圧分布や温度分布をシミュレーションする方法や数値解析した結果を述べる。
体外衝撃波結石療法については、解析方法やシミュレーション結果と実験結果とを検討する例をあげて説明する。
高強度集束超音波腫瘍治療には、乳房癌治療を例として音圧強度、周波数、照射時間、集束振動子曲率によって、焦点領域や皮膚上の温度分布変化をシミュレーションし、その数値解析結果を通して解説する。