講演要旨
“空気の熱でお湯を沸かす”というCMは毎日テレビで流れているが、これは実際CO2ヒートポンプ給湯器(愛称: エコキュート)のこと
を言っている。2004年度末にエコキュートの設置台数は25万台だったが、これを2010年に520万台、2030には1150-2000万台という見込みで
ある。このエコキュートの普及によるCO2排出量の削減ポテンシャルは民生部門だけでも年間約1億トンCO2があり、この数字は京都議定書目
標達成計画の民生部門に割り振られた削減量をはるかに上回るものである。
CO2ヒートポンプ給湯器はCOPが高いと環境にやさしいことを評価され、産業界が積極的に研究開発を進んでいる。その一方、CO2ヒート
ポンプサイクルの高圧側が臨界点を超えて超臨界圧状態になるため、その超臨界圧流体の伝熱特性の解明は非常に興味深い問題である。本
研究では数値計算の手法を用いて乱流および層流状態における超臨界圧CO2の伝熱性能を調べ、伝熱管断面内の流体物性変化による伝熱特性
の変化を考察することを目的とした。