講演要旨
安全且つ省エネルギの自動車を開発することは各自動車メーカと部品メーカの追及し続ける夢です。
コンピュータ性能の飛躍的な進展につれて、より正確的且つ現実的なCAE技術の活用によって、
より安全、省エネルギ的な自動車をより短い周期、少コストで開発することは現実的になっています。
本講演は,まずメーカのCAE現場に立った小生約7年間の日本総研での研究活動をベースに、
自動車業界で代表的な汎用ソフトLS-DYNAを使用した自動車および関連部品の安全解析事例の紹介を通して、
CAEと自動車開発の緊密関係を説明します。特にシートベルト安全解析、歩行者安全解析、ホイルの安全解析、
タイヤのハイドロプレーニング(hydroplaning)、タイヤの騒音などの応用解析と研究成果をご報告します。
次に、乗員の安全性に大きくかかわる自動車フロントガラスの衝撃破壊挙動を解明、
より安全的なフロントガラスを開発するために携わってきた個別要素法の応用開発と研究成果をご報告します。
最後,中国自動車産業技術の最新発展動向について,中国華南理工大学自動車学院で進められている
日中科学技術協力プロジェクトを紹介します.このプロジェクトは2005年から中国科学技術部と日本文部科学省
の共同研究として,個別要素法と有限要素法を融合する新しい解析手法を開発することによって,
フロントガラスの衝撃破壊とそれによる車体への剛性変化を考慮したシミュレーションができ、
より精度のよい安全解析技術の確立が期待されます。